6月29日、第28回規制改革推進会議が開催され、「規制改革推進に関する答申(案)」が示されました。
人口減少・少子高齢化等の課題を克服し、日本経済の成長と地方の活性化につなげるため、「強い経済の実現」と「地方を伸ばし、暮らしを守る」の二本柱となっていて、次のような項目に関する答申が含まれています。
●強い経済の実現
・労働時間法制に係る政策対応の在り方(1年単位の変形労働時間制における労働日等の特定の在り方、裁量労働制の適用対象業務の在り方)
●地方を伸ばし、暮らしを守る
・シフト制における適正な年次有給休暇の取得等
・オンラインによる労働条件の明示方法の見直し
・育成就労制度を見据えた技能実習制度の試験内容の見直し
・在留管理制度の運用の適正化
具体的には、次のような内容が示されています。
【強い経済の実現】
●労働時間法制に係る政策対応の在り方(1年単位の変形労働時間制における労働日等の特定の在り方、裁量労働制の適用対象業務の在り方)
→ (1年単位の変形労働時間制における労働日等の特定の在り方)規制改革推進会議での議論や制度運用状況等の実態も踏まえ、予期しなかった事情にも柔軟に対応できるようにすることについて、労働者の予見可能性の確保についても十分留意しつつ、労働政策審議会において検討し、結論を得次第、速やかに所要の措置を講ずる。
→ (裁量労働制の適用対象業務の在り方)健康確保、長時間労働防止、適切な処遇確保などの濫用防止措置を前提に、裁量労働制の対象の在り方について労働政策審議会において見直しの検討を開始し、結論を得次第、必要な措置を講ずる。
【地方を伸ばし、暮らしを守る】
●シフト制における適正な年次有給休暇の取得等
→ シフト制労働者に与えなければならない年次有給休暇の日数の算定において参照される所定労働日数について、「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」において、「予定されている所定労働日数を算出し難い場合には(中略)過去6箇月の労働日数の実績を2倍したものを「1年間の所定労働日数」とみなして判断することで差し支えないこと」とされていることも参考に、取扱いを通達や省ウェブサイト等において明確化し、広く周知する。その際、シフト制労働者の取得可能な年次有給休暇の予見可能性の向上及び使用者のシフト制労働者に与える年次有給休暇の算定等に係る実務上の負担軽減の観点も含め、検討する。
→ 年次有給休暇の期間または時間に支払われる賃金については、労働基準関係法制研究会の報告書において原則として「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」の手法をとるようにしていくべきではないかとされていることを踏まえつつ、労働政策審議会において検討し、結論を得次第、速やかに所要の措置を講ずる。
→ シフト制で勤務割や勤務シフトなどにより労働条件通知書で示されていた労働時間と異なる労働時間が定められた場合に、年次有給休暇の期間または時間に支払われる賃金の額の算定を行うにあたって「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」(労働基準法39条9項)が選択され、「時間によつて定められた賃金については、その金額にその日の所定労働時間数を乗じた金額」(労働基準法施行規則25条1項1号)が適用されると、いずれの時間を参照して賃金を支払うべきか、判断に迷うとの声があることを踏まえ、後者の時間が参照されることを、都道府県労働局への通達や厚生労働省ウェブサイト等において明確化し、広く周知する。
→ シフト制労働者の年次有給休暇の取得率を向上させるため、労働者や使用者などからの意見聴取により、シフト制労働者が年次有給休暇を取得できない要因等を把握する。さらに、その結果を踏まえ、都道府県労働局への通達の発出や厚生労働省ウェブサイト等による周知など、シフト制労働者が年次有給休暇を適正かつ円滑に取得できるよう必要な措置を講ずる。また、任意の取組みとして、雇入れ日から6カ月間継続勤務した労働者に対し、全労働日の8割以上出勤したか否かにかかわらず、継続し、または分割した10労働日の年次有給休暇を与えることは妨げられないことも併せて示すことを検討する。
●オンラインによる労働条件の明示方法の見直し
→ テレワークなど多様な働き方やデジタル社会にそぐわないとの声などを踏まえ、調査の上、電子メール等の送信の方法による通知等に関する他の制度も参照しつつ、現在の電子メール等の送信の方法を利用するための条件に加えて、労働者に過度な負担を課すことなく、すべての労働者に対して確実に労働条件が明示されるとともに、より円滑に電子メール等の送信の方法で明示することを可能とする条件・方策について検討の上、結論を得次第、速やかに必要な措置を講ずる。
→ パート・有期法施行規則、労働者派遣法施行規則、職業安定法施行規則令に基づく所定の事項の明示方法についても、同様に検討した上で、結論を得次第、速やかに必要な措置を講ずる。
●育成就労制度を見据えた技能実習制度の試験内容の見直し
→ 特定技能制度との接続性を踏まえた一体的な制度設計が十分でないなどの声を踏まえ、必要な見直しを行う。また、分野所管行政機関は、自主点検等を踏まえ、見直しの要否を含めて検討し、結論を得次第、速やかに必要な措置を講ずる。
→ 業務区分に応じた実務適合的な試験の在り方について検討し、育成就労制度運用開始3年後の見直しのタイミングも見据え、現場実態を踏まえた人材育成が可能となる適切な仕組みを構築するなど、必要な措置を講ずる。
→ 育成就労制度において、外国人材が自立して日本社会で活躍できるよう、生活マナー、税・年金・健康保険、行政手続、在留資格・労働関係法令、安全衛生管理、医療機関での会話、交通ルールおよび災害時の対応等の日本での生活習慣や基礎知識をより実効性のある形で修得させるための機会の確保について、検討し、結論を得次第、必要に応じて所要の措置を講ずる。
→ 受検申請手続の手順や事務処理等のデジタル化を推進する際には、様式を統一し、原則としてオンラインで完結する簡易な仕組みの構築を促すとともに、可能な限りワンストップで受検申請手続が完了する仕組みの整備を検討し、必要な措置を働きかける。
→ 技能実習制度運用要領)に掲載されている参考様式で押印欄のある様式について、押印省略化および電子化を検討し、必要な措置を講ずる。また、制度上は使用が義務付けられているものではないものの、実務上は申請・報告等の場面において事実上の標準様式として広く用いられている実態があることを踏まえ、運用上の誤解が生じないよう周知することを検討し、必要な措置を講ずる。
●在留管理制度の運用の適正化
→ 受入れ企業等が、技人国で受け入れた外国人に従事させることができる業務範囲をより正確に把握できるよう、ガイドラインにおける事例の記載の拡充等を検討し、結論を得次第、速やかに必要な措置を講ずる。
→ 法務省は、技人国を有する外国人を受け入れる場合には、雇用契約の適正な履行および適正な在留管理の確保の観点から、業務内容が在留資格で認められた活動に該当することを十分に説明できる仲介者を利用することなど、適切な仲介者の選択に資する内容をガイドラインに明記する。
→ 厚生労働省は、職業紹介事業者に対し、出入国管理関係法令の遵守について周知する。あわせて、法務省は、求人票や仲介契約に関する資料等を在留審査において確認する方法について、法務省の審査要領に具体的に示すことや雇用主が不正な仲介を受けないことに関する責任を明確化するための方策を講ずることを含め、在留申請手続等の見直しについて検討し、結論を得次第、速やかに必要な措置を講ずる。
今後は、答申された規制・制度改革を踏まえた規制改革実施計画が取りまとめられるとともに、一部は骨太方針や日本成長戦略に反映される見通しとなっています。
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。
規制改革推進会議:会議結果
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/260629/agenda.html








