2月19日、第482回消費者委員会本会議が開催され、令和7年改正公益通報者保護法(令和8年12月1日施行)に基づき事業者がとるべき措置に関する指針の改正について、諮問・答申が行われました。
法改正の内容は、以下のとおりです。
1 公益通報に適切に対応するための体制整備の徹底と実効性の向上
→ 従事者指定義務に違反する事業者(常時使用労働者数300人超に限る)に対し、勧告に従わない場合の命令権および命令違反時の刑事罰(30万円以下の罰金、両罰)を新設する
→ 上記事業者に対する現行法の報告徴収権限に加え、立入検査権限を新設するとともに、報告懈怠・虚偽報告、検査拒否に対する刑事罰(30万円以下の罰金、両罰)を新設する
→ 労働者等に対する事業者の公益通報対応体制の周知義務を明示する
2 公益通報者の範囲拡大
→ 公益通報者の範囲に、事業者と業務委託関係にあるフリーランスおよび業務委託関係が終了して1年以内のフリーランスを追加し、公益通報を理由とする業務委託契約の解除その他不利益な取扱いを禁止する
3 公益通報を阻害する要因への対処
→ 事業者が、労働者等に対し、正当な理由がなく、公益通報をしない旨の合意をすることを求めること等による公益通報妨害行為を禁止し、これに違反してされた合意等の法律行為を無効とする
→ 事業者が、正当な理由がなく、公益通報者を探索する行為をすることを禁止する
4 公益通報を理由とする不利益取扱いの抑止等
→ 通報後1年以内(注)の解雇または懲戒は公益通報を理由としてされたものと推定する(民事訴訟上の立証責任転換)
(注)事業者が外部通報があったことを知って解雇または懲戒をした場合は、事業者が知った日から1年以内
→ 公益通報を理由として解雇または懲戒をした者に対し、直罰(6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金、両罰)を新設する
→ 法人に対する法定刑を3,000万円以下の罰金とする
→ 公益通報を理由とする一般職の国家公務員等に対する不利益な取扱いを禁止し、これに違反して分限免職または懲戒処分をした者に対し、直罰(6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)を新設する
指針案では、上記1〜4に対応して次のような内容が示されています。抜粋して紹介します。
【内部公益通報対応体制の整備、労働者等に対するその周知その他の必要な措置】
●組織の長その他幹部からの独立性の確保に関する措置
内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に係る公益通報対応業務に関して、組織の長その他幹部に関係する事案については、これらの者からの独立性を確保する措置をとる。当該内部公益通報以外の公益通報に係る通報対象事実についての調査及び是正等の対応が必要な場合においても、同様の措置をとる。
●不利益な取扱いの防止に関する措置
イ 事業者の労働者及び役員等が不利益な取扱いを行うことを防ぐための措置をとるとともに、公益通報者が不利益な取扱いを受けていないかを把握する措置をとり、不利益な取扱いを把握した場合には、適切な救済・回復の措置をとる。
ロ 不利益な取扱いが行われた場合に、当該行為を行った労働者及び役員等に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分その他適切な措置をとる。
●範囲外共有、通報妨害及び通報者探索の防止に関する措置
イ 事業者の労働者及び役員等が範囲外共有を行うことを防ぐための措置をとり、範囲外共有が行われた場合には、適切な救済・回復の措置をとる。
ロ 法第11条の2第1項の規定による正当な理由がある場合を除いて、事業者の労働者及び役員等が通報妨害行為を行うことを防ぐための措置をとる。
ハ 法第11条の3の規定による正当な理由がある場合を除いて、事業者の労働者及び役員等が、通報者探索を行うことを防ぐための措置をとる。
ニ 範囲外共有、通報妨害行為及び通報者探索が行われた場合に、当該行為を行った労働者及び役員等に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分その他適切な措置をとる。
●労働者等に対する周知に関する措置等
労働者等、役員、退職者並びに特定受託業務従事者及び特定受託業務従事者であった者に対し、法及び以下の事項(退職者及び特定受託業務従事者であった者については、チを除く。)について周知・啓発を行う。
イ 内部公益通報受付窓口の設置に関する事項並びに連絡先及び連絡方法
ロ 組織の長その他幹部からの独立性の確保に関する措置の内容
ハ 公益通報対応業務の実施に関する措置の内容
ニ 公益通報対応業務における利益相反の排除に関する措置の内容
ホ 不利益な取扱いの防止に関する措置の内容
ヘ 範囲外共有、通報妨害及び通報者探索の防止に関する措置の内容
ト 是正措置等の通知に関する措置の内容
チ 記録の保管、見直し・改善及び運用実績の労働者等、特定受託業務従事者及び役員への開示に関する措置の内容
リ 公益通報に係る通報対象事実についての調査への協力に関する事項








